【紅茶のこと】フレーバードティーについて
フレーバードティーについて、概要を確認していきます。
要は、香りづけ(着香)した紅茶ですね。
よく見聞きするのがアールグレイではないでしょうか。
アールグレイといっても、各メーカーで様々なテイストになりますが、定番且つ代表的なフレーバードティーですね。
しかし、元祖フレーバードティーはアールグレイではありません。
ラプサンスーチョン
中国の福建省にある武夷山という山で、正山小種(ラプサンスーチョン)紅茶に、松の煙で燻煙して着香したのがラプサンスーチョンです。
元祖フレーバードティーになります。
個性のある独特な香りは、生葉を揉捻して発酵後、松の一種の松柏という木を燃やし、乾燥させる際に燻煙されたものです。
いぶした香りは正露丸に似ているそうです。
イギリスにおいては、この独特な香りは東洋の神秘的な香りとして親しまれ、アンティークなイメージになっています。
それにイギリスの水質は高硬度のため、ほどよくスモーキーで味わい深い香りになり、逆に軟水の日本では厚みのある香りとなるようです。
渋みが少なく、甘みのある重い味で、香りが好みであれば非常に飲みやすくなっています。
東洋志向が高いイギリスにおいては、ブラックティー(ストレート)で飲むのがおすすめとされていますが、ミルクも入れて楽しむ向きもあるようです。
特殊な個性故に、スモークドサーモンのサンドイッチ、クラッシュタイプのチェダーチーズという限定的なフードチョイスになります。
食も多様化しているので、様々な食べ物を試してみるのも面白いでしょう。
アールグレイ
イギリスの首相を務めた2代目グレイ伯爵の名前に由来したフレーバードティーがアールグレイです。(在任期間 1830 – 1834)
グレイ伯爵は、中国の使節団が持ち帰った紅茶を非常に気に入り、その香りの紅茶をトワイニングに注文しました。
使節団が持ち帰った紅茶はラプサンスーチョンでしたが、輸送中に香りが薄れてしまったことや、硬水の影響で香味が優しくなってしまい、本来の香りから遠のいてしまいましたが、なんともいえないドライフルーツの香りにも似ていました。
その香りは「龍眼」とのことでしたが、「龍眼」を知らないトワイニングは、1820年から知られていたベルガモット(柑橘系)のオイルを手に入れて、中国茶に着香しました。
できあがったフレーバードティーにグレイ伯爵が付けられ、これがアールグレイとなったのです。
本来、茶葉は正山小種に着香させるのが正統な製法かもしれませんが、今般流通しているのはどの茶葉にでもベルガモットの香りを付けて販売されています。
トワイニング社は、アールグレイを作った際に特許を取得していなかったことから、販売は自由になっているそうです。
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