【紅茶のこと】紅茶の主成分について
ここまで紅茶の茶葉の生産国や出来上がるまでの工程まで、ざっと概要を確認してきましたが、紅茶の成分についても確認しておきましょう。
紅茶はお茶ですから、カフェインやタンニンといった聞きなれた成分があると思いますが、もうほんの少し見ていきましょう。
香味に関連するタンニン
紅茶に含まれている成分としては、主に前述で挙げたカフェイン、タンニンのほか、ビタミン類、アミノ酸です。
タンニンは、特に香味の関りが大きいのですが、一般的には渋みを連想する方が多いのではないでしょうか。
植物にはたいてい含まれているタンニンは、特に茶葉には大量に含まれています。
そもそも、タンニンというのはカテキン類の集合体の総称です。
香味だけでなく、水色を作り出す重要な成分になります。
含有量は、品種、茶摘みの時期、産地により異なりますが、直射日光の強い熱帯地帯におけるアッサム種であれば、19~22%含まれています。
日本の緑茶は15~18%以下となり、少ない方なんですね。
紅茶用には、アッサム種を熱帯地方で栽培するのが適しているということです。
カテキンについて
お茶の成分で有名なのがカテキンです。よく見聞きするでしょう。
紅茶のカテキンには4つの種類があります。
エピカテキン(EC)、エピカテキンガレート(ECG)、エピガロカテキン(EGC)、エピガロカテキンガレート(EGCG)です。
この4種類が主で、エピガロカテキンガレート(EGCG)は特に最も多く含まれています。
これらのカテキンは、紅茶の製茶における中で酸化酵素の作用で変質して、カテキン酸化物のテアフラビンという橙赤色の色素と、テアルビジンという褐色の色素を作り出し、これが透明な赤色の紅茶色となります。
また、タンニンには薬用効果もあります。
整腸作用、抗ガン、抗菌、血中コレステロールの低下、血圧降下作用などが知られていますが、まだまだ研究していく必要があると個人的には思います。
カフェインについて
カフェインもよく見聞きしますよね。紅茶だけでなく、緑茶やコーヒーにも含まれています。
カフェインは、プリン塩基同族体という一種で、茶葉に2~5%含まれています。
紅茶の製茶における変化はほとんどなく、苦味としてかんじることができます。
カフェインは熱湯によく溶けますが、低温では抽出しにくい成分です。
疲労回復、頭痛やめまいを抑えるといった薬用効果が知られています。
そのほかの成分について
他の成分としては、タンパク質も含まれています。
しかし、熱湯には溶けださずに、ほとんど茶葉の中に残ります。
ただ、アミノ酸は溶けだして旨味を作り、最も多いのがテアニンです。
テアニンが紅茶の甘み、旨味を感じさせる主成分です。
ビタミン類については、生葉にはビタミンA、ビタミンB、ビタミンB2、ニコチン酸、パントテン酸、ビタミンC、ビタミンEなどが含まれていますが、製茶において変質したり、ビタミンEにいたっては熱湯に溶け出さないので、それぞれを摂取するには、生葉をまるごと食べるという方法が適していますね。
茶葉を練り込んだものなどなら摂取できるかもしれません。茶葉で摂取しようと思えば、ですが(笑)
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