【紅茶のこと】茶葉の品質について
紅茶の茶葉には、等級区分(グレーティング)というものがあります。
一見、高級かそうでないかといった違いのように思いますが、実際はそうではなく、茶葉を均一な大きさにふるい分けて、同一形状に揃えた時の分類を表すものです。
つまり、サイズの違いということになりますね。
茶葉の等級区分(グレーティング)
オーソドック製法におけるサイズの区分は、大きい順にオレンジ・ペコー(OP)、ブロークン・オレンジ・ペコー(BOP)、ブロークン・オレンジ・ペコー・ファニングス(BOPF)、ファニングス(F)、ダスト(D)が多く使われています。
といっても、大きさや形状に統一規格はありません。
製茶工場でふるい分けるときに、メッシュという金網の目のサイズにより、太さや長さに違いが出ます。
ただ、グレードの呼び方と長さ、大きさ、太さについては共通の認識があります。
大きい順から小さい順に確認してみます。
オレンジ・ペコー(OP)
仕上がりの茶葉のサイズ:1~2cm
茶葉のサイズでは一番大きく、インドのダージリン、中国のキーマンがオレンジ・ペコーで多くみられます。
アッサム、ニルギリ、スリランカのヌワラエリヤやウバでも少量作られているようです。
中国語でディオペッポ(橙黄白毫)と表現され、橙黄は水色が透明度の高い淡い橙色、白毫はカップに注いだ紅茶の表面に細い綿ぼこりのような繊維が浮いている事を表しています。
白毫は、茶の新芽の部分の表面を産毛が覆っていて、これが浮かんで見えたものになります。
たくさんの芽が入った紅茶を表し、芽が小さく砕かれておらず、大きいまま混入しているということになります。
ブロークン・オレンジ・ペコー(BOP)
仕上がりの茶葉のサイズ:2~3mm
このサイズの茶葉は、主にスリランカ産の紅茶に多くみられます。
渋みの強い茶葉は、OPタイプでゆっくり抽出して渋みを緩め、旨味を引き出しますが、茶葉の渋みが中程度、抽出時間を短くして強い香味を出す場合、小さいサイズで細かい茶葉の方がより引き出しやすくなります。
ブロークン・オレンジ・ペコー・ファニングス(BOPF)
仕上がりの茶葉のサイズ:1mm
ブロークン・オレンジ・ペコー・ファニングス(BOPF)は、ブロークン・オレンジ・ペコーをふるいにかけて、メッシュから落ちた1mm程度の細かい茶葉を集めたものになります。
ブロークン・オレンジ・ペコーの中には、芽の部分も多く含まれていることから、良質でグレードは細かい表示になりますが、上質茶として扱われることもあります。
濃厚で渋みは強いです。
ファニングス(F)
ブロークン・オレンジ・ペコー(BOP)下のメッシュの下のふるいわけで集められた1mm程度の細かい茶葉をファニングス(F)と呼びます。
渋味は強いですが、抽出が早くミルクティー用やティーバッグ用に利用されます。
ダスト(D)
意味だけであれば、ゴミやチリ、ホコリとなりますが、紅茶においては茶葉のふるい分け工程で一番下のメッシュを潜り抜けて落ちた粒状の細かい茶葉のことをいいます。
風味はきちんと紅茶になっており、強い酸味とコクも特徴です。
ティーバッグ用に主に利用されます。
本当に上質な茶葉
等級区分は、品質の高低を示すものではありませんが、本当に上質紅茶はきちんとあります。
茶の新芽だけを摘み、ゴールデンチップやシルバーチップと呼ばれるものです。
シルバーチップは、伸びて産毛に覆われ、芽を乾燥させると銀色に光ることからきていて、ダージリンやアッサムで、春先に摘まれることが多く、ゴールデンチップも芽の部分ではありますが、時期が異なる初夏や秋摘みの茶葉は芽の生育がよく、太く長く成長しており、この部分を黄色みがかった金色に見えることからきています。
チップだけを集めるのは、量が少なく希少価値が高いことで、幻の紅茶といわれています。
旨味や渋み、香味の影響は、芽だけでなくとも、芽がどれほど含まれているかで出ます。つまり、全ての茶葉の中に芽は一緒に混入されています。
上質且つ高級な紅茶の条件として、ゴールデンチップやシルバーチップが多く混ざっていることがあげられています。
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