【紅茶のこと】茶葉について(スリランカ・ウバ編)
インドのダージリン、アッサムそしてスリランカのウバで、世界三大銘茶とされています。
インド、そして中国に次いで、世界第三位の紅茶生産国であるスリランカは、五種類の茶葉の産地があり、その中のウバについて確認していきます。
基本
ベンガル湾に面した山岳地帯の斜面に茶園が広がり、標高1500メートル前後の高地にあります。
ダージリンと似た環境で、7~8月にインド洋からの季節風が山に当たり、冷たく乾いた風が吹きおろし、霧を晴らして茶葉を乾燥させるそうです。
ウバ特有のフルーティーな香りに、渋みが生まれる要因で、この時期は高値で取引されます。
他の時期はどうなのかというと、渋みと水色がどちらも濃いことから、ミルクティーに非常に性質が合うようで、イギリスでは最も多く使われているようです。
茶園の広さは、およそ3万5,000ヘクタール、葉の形状はオレンジ・ペコー、ブロークン・オレンジ・ペコー、収穫時期は通年です。
シーズン
収穫は通年とされていますが、ウバのクオリティシーズンとしては7~8月の2か月がメインです。
しかし、毎年同等のクオリティであるかというと、決してそのようなことはなく、雨風の状況次第でかなりの品質の変化があることから、取引においても価格の安定さに泣かされてしまうバイヤーも多いようです。
力強い渋みが身上で、ブロークン・オレンジ・ペコーがしっかりと味わえるタイプです。
製造について
山岳地帯故に、茶畑を広げられないという理由もあり、オーソドックスな製法で作られています。
また、茶葉を摘む役割は女性がほとんどですが、その女性たちを監督するのが、カンガニーと呼ばれる管理人です。
カンガニーはヒンズー語で「管理人」で、一人あたり150~200人もの茶摘み担当者たちを担当します。
茶葉の積み方で品質が左右されることから、カンガニーが重要な責任を担っているということです。
なお、ウバが世界的な産地として認知されるようになった際、ある有名な人物がいます。
トーマス・リプトンです。
いまでは定番なリプトンの紅茶ですが、セイロン島のウバの土地を買い、開墾、機械化で紅茶の一大産地に育て上げ、”紅茶園から直接ティーポットへ“という、当時のキャッチコピーにおける紅茶園は、まさしくウバの茶園のことです。
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