【紅茶のこと】茶器について
英国フェアで紅茶及び紅茶関連のグッズを見ていると、様々な花柄を模し、かわいさも、高貴な雰囲気もまとった陶器のカップやソーサーがありました。
そういうものを見ているだけで楽しくなるものなんですが、一部銀製のカップやポット、ティーストレーナーやスプーンもあり、一点当たり10万円前後という価格で販売されていました。
19世紀前半から中盤あたりに使用されていたらしいのですが、そういった茶器に関することも少し触れておきます。
中国からヨーロッパへ
茶器は、紅茶同様17世紀に中国からヨーロッパへ入ってきています。
しかし、当初は商品としての茶器というよりも、運搬船のバランスを取るために底荷として扱われることが多かったようで、正規の売り物ではないので、茶器の売り上げは船長の臨時収入となり、多くの船長はよく茶器を持ち込んでいたそうです。
だからヨーロッパに茶器がもたらされたんですね。
また、この時のティーカップはサイズが小さく、当時のお茶の価値を考えれば、貴重品が故に少量を大切に楽しんでいたのではないかとされています。
そして、カップにソーサーがつくようになっていくことになりますが、ソーサーが誕生した経緯や理由を示す資料がなく、今のところはっきりとしたことは不明です。
ソーサーの初期のころは、底が深く、紅茶がそそげるほどだったので、ソーサーに紅茶を移してすすりながら飲むというのが正しい作法とされていたようです。
ティーカップ
ティーカップは、当初は把手が無い小さな器でした。
紅茶が普及していくにつれ、カップサイズは次第に大きくなっていきます。
そして17世紀末、ロンドンにて把手付きのカップが誕生しています。
陶磁器のビアカップを手本にしたもので、把手は片側と両側の2種類がありました。
18世紀に入ると、把手付きはカジュアルなシーン、把手無しはフォーマルなシーンという使い分けがされていたようですが、18世紀終盤あたりには片手の把手付きがメインになっています。
ポット
ティーポットについては、中国の急須から発展して、18世紀に登場した銀製の楕円形ポットを経て、中国の茶瓶をまねた丸型へと変わっていきます。
その後19世紀後半、中国で作られた上質のポットやカップがイギリスにもたらされると、そこからウェッジウッド、ミントンなどの茶器の有名ブランドが生まれています。
英国発の陶磁器の歴史がここから始まっているんですね。
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