美味しいミルクティーを飲みたいが、ミルクが先?後? (私の場合は・・・)
紅茶の「淹れ方」については、過去に記事で紹介したかと思いますが、ティーウィズミルク、すなわちミルクティーに関する論争をおさらいしておきます。
紅茶の淹れ方の論争
紅茶をはじめ、飲食関係の方や、少しでも紅茶について調べたり、学習されている方なら既に御存知であろう紅茶の淹れ方の論争があったことは有名なことではありますが、そもそもなぜ論争まで発展したのでしょうか?
茶は、17世紀半ば以降にポルトガル、オランダを経由してイギリスに伝わったとされています。
我が国日本は、400年よりも前から作法として茶道が伝わっていますが、茶の点て方や飲み方、礼儀といった精神的、哲学的な面も伝わっており、人間としての生き方、在り方など、広く深い分野として捉えることが出来るでしょう。
同じように茶が伝わったイギリスでは少々事情が違っていて、茶そのものと茶器が伝わった程度で、茶道のような神髄に関わる面は十分に伝わらなかったようです。
紅茶の消費国としてイギリスが本場であることは確立したものの、精神的、哲学的な面よりも、美味しい紅茶の淹れ方はどのようなものなのか?といったことが、一番の関心事になっていたようです。
当時の状況として、茶のこだわり=東洋文化に触れること、だったようです。
それに、高価な茶について語ることは富の象徴でもあり、その階級社会の中で茶の話をすることが嗜みでもありました。
そして、本格的な論争はビクトリア時代に入ってから激化します。
ビクトリア時代の詳細は他で調べていただきたいのですが(笑)、めちゃくちゃ簡単に言えば、経済的に成熟していた時期だそうです。
そんな時代に沸き上がった論争は、淹れ方というよりも、ミルクの扱いについてでした。
「ミルク論争」が正式な論争かも
ミルク(牛乳)の扱いがメインの論争なら、ミルク論争が正しい論争なのではないかと個人的には思っていますが、当時はストレート(ブラック)ではなく、ティーウィズミルクが主流の飲み方だったことからのようです。
そもそも、当時の牛乳の扱いは、現代のように調整どうのこうのといったものではなかったことだけは、想像ができそうですよね。
牛乳の扱いは、19世紀後半まで飲料として手軽に飲めるようなものではありませんでした。
栄養価が高いことは既に知られていましたが、身体に良いからといって生乳を飲めば下痢を起こすことになり、体の弱い人や搾りたてをすぐに飲めるような、一部の人だけの飲み物だったようです。
ただ、1862年に赤ワインの保存に使われる殺菌方法が牛乳にも用いられてからは一般の家庭にも牛乳は普及し始め、紅茶にミルクを入れて飲むティーウィズミルクも同じように広まりました。
そこで起きた論争が、
『ミルクを先に入れるのか?』
『ミルクを後から入れるのか?』
です。
実にくだらない論争だと思う方も居るかもしれませんが、割とガチになるところが面白いと思いました。
ミルク・イン・ファースト or ミルク・イン・アフター
ミルクを先に入れるという「ミルク・イン・ファースト(MIF)」派は、ミルクの量がわかりやすいうえ、上から紅茶を注ぐので混ざりやすく、香りも立ちやすい、という主張です。
それに対し、ミルクを後から入れるという「ミルク・イン・アフター(MIA)」派は、ミルクの量が調節しやすいといいます。
さらにMIA派はMIF派を次の様に批判します。
「先にミルクを入れるのは、熱い茶を先に入れればカップが割れて、それを惜しむ貧乏人のやり方だ」
いや~、ひねくれてますね(笑)
でもそこがイギリスっぽい感じもするので好きですね。
世界的に有名な作家であるジョージ・オーウェル(「1984年」などが有名)は、紅茶愛飲家としても知られていて、自説で11カ条の淹れ方を発表していて、明確に紅茶が先でミルクが後としています。
ミルクの量を調節できることはもちろん、風味が落ちるからという理由で、砂糖も入れないのだそうですが、自説が全て受け入れられるわけではないと述べてもいます。
論争の盛り上がりは、茶商も議論に参加するなど、割と熱を帯びたものになったようですね。
結論は出た?
ミルクを先に入れるのか、後から入れるのか。
実はその結論は、英国王立科学協会に所属するアンドリュー・スティープリー博士という方により、ミルクを先に入れた方がおいしい的なことが科学的に立証されたことにより、結論は出ているようです。
しかし、一部では懐疑的な意見もあり、決着はまだついていないという見方もあるようです。
※エビデンスが不明なので、見つけ次第記載しておきます。
正直飲む人の好みじゃね?って言うと、やっぱ面白みに欠けますかね(笑)
私は・・・
私個人としては、ミルクは後ですね。
主役は紅茶という認識があり、ミルクはサブ的要素という感覚が働いて、自然とミルク・イン・アフター派です。
そもそも、”ティーウィズミルク”です。
紅茶にミルクが加わる、というイメージになり、主役はやはり紅茶です。
もしこれが”ミルクウィズティー”ならば、ミルクが主役になるイメージです。
紅茶の色味の確認もしやすい、故に微妙な調節もできるという効率性から考えて、ミルク・イン・アフター派です。
しかしながら、それは今までミルクティーを飲む際の実際の割合であって、数回程度ミルクを先に入れて飲んだことがあります。
味が違うような気もしますが、、、再度試してみたほうがいいですね。
飲み比べて違いを楽しみましょう。
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