【メディカルハーブ検定対策】Chap.2-4 植物化学成分の多様な作用について
植物化学成分の多様な作用を確認していきます。
主に、相乗効果、心・体の両方への作用、矛盾する作用についてです。
相乗効果
2つ以上の成分が同時に働いて、個々の成分がもたらす以上の働きをすることを相乗効果といいます。(Synergy effect)
シナジー効果ともいわれ、この効果には2つのケースが挙げられます。
相乗効果のケースその1
1種類のハーブに含まれる別々の成分が同じ作用を持って効果を増す場合があります。
例えば、エルダーフラワーは、フラボノイドとカリウムの利尿作用が相乗効果を発揮します。
あと、ジャーマンカモミールであれば、精油とフラボノイドの鎮静・鎮痙作用が相乗効果を発揮します。
相乗効果のケースその2
1種類のハーブに含まれる1つの成分の作用を、別の成分が補助する場合があります。
例えば、ローズヒップは、含まれる植物酸のクエン酸などが、ビタミンCの吸収力を高め、ビタミンCの錠剤のみを摂取するより効果が高くなります。
あと、ネトルは、ビタミンCによって鉄分を吸収する力が高まります。
心・体の両方への作用
1種類のハーブが、心と体に両方に同時に効果を示すことがあります。
※医薬品は1方向のみに作用するので、心と体両方に効果を求める場合は2種類以上の薬が必要になります。
例えば、ジャーマンカモミールで胃のケアを行う場合、体への作用は、消炎作用のある成分が胃壁に直接働いて、傷んだ胃を修復します。
一方、心への作用は、芳香成分が神経をリラックスさせ、ストレス解消を促します。
矛盾する作用
メディカルハーブを初心者ながら学習していると、気づくことがあります。
それは作用が矛盾しているのではないか?ということです。
そもそも自然薬は、バランスを回復して調子を整える特徴があり、同じハーブを正反対の症状に用いる場合もあります。
例えば、肌の調子を整えるハーブは乾燥肌にも脂性肌にも効果を示して、腸の調子を整えるハーブは便秘にも下痢にも効果を示します。
ペパーミントやジャーマンカモミールで腸のケアをする場合、どちらも消化機能の調整作用はありますが、共に下痢と便秘の両方に用いられます。
医薬品であれば、表出している症状のみを治療対象とします。
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