【メディカルハーブ検定対策】Chap.3-2 基剤について
ハーブ製剤で使うハーブ以外の材料について、種類や特徴を確認します。
基剤とは?
基剤は、ハーブ製剤で使うハーブ以外の材料のことです。
水、アルコール、植物油、ミツロウ、グリセリン、クレイなどがあります。
主な役割として、次の2点があります。
1.ハーブの有効成分を利用しやすい形式で抽出、加工する
2.基剤そのものにも有効な働きがあり、ハーブとの相乗効果が期待できる
ハーブの有効成分をよりよく利用する為、様々な形に加工することを製剤といい、加工した形を剤型といいます。
基剤の特徴、活用法について
水
水道水・ミネラルウォーターは、ハーブティー(温浸剤)、湿布に使用します。
汲みたての水道水は酸素を含んでいる利点があります。しかし、質が気になる場合は浄水器を使用しましょう。
また、ミネラルウォーターは硬水を避け、軟水を使用すると良いとされています。
精製水(不純物を取り除いた水)は、外用チンキの希釈、パック剤に使用します。
芳香蒸留水は、フローラルウォーターとも呼ばれ、ハーブから精油を抽出したときの副産物です。
芳香成分を微量に含み、ローションやパックの基材として使用されます。
アルコール
水溶性、脂溶性の両成分を溶かす無色透明の液体で、消毒作用を持つので、抗菌作用のあるハーブとの相乗効果が期待でき、防腐剤としての役割もあります。
主にチンキを作るときに用いるのがアルコールです。
無水エタノールは、原液のまま皮膚に触れると皮膚を硬化させる恐れがあるので注意して扱いましょう。
エタノールは、消毒用エタノール:濃度76.8~81.2%、エタノール:濃度95~95.5%、無水エタノール:濃度99.5%の3種類の濃度によって分けられます。
無水エタノールについては、外用チンキを作る際に使用し、内用チンキにはウォッカを使用します。
※ウォッカとエタノールの違いは?
ウォッカは、穀類(じゃがいも、とうもろこし、麦など)のでんぷんを糖化させたのち、アルコールを発酵させて蒸留し、それを白樺の炭でろ過したものになります。無色無味無臭で、酒店で購入が可能です。
エタノール(エチルアルコール)は、糖質を微生物(酵母菌)でアルコール発酵させて得られるもので、薬局で購入できます。
植物油
植物の種子を圧搾して出る油が植物油です。
多くの種類があり、安全性が高く、軟膏や浸出油などの基剤として使われます。
マッサージオイルとしても利用可能ですが、パッチテストを行っておきましょう。
加熱、化学薬品を使ったものではなく、天然抽出したものを使いましょう。
酸化しやすい植物油もあり、保存に注意して密閉して冷暗所に置くようにします。
マカデミアナッツ油は、酸化を防ぐ目的でビタミンEを多く含む小麦胚芽油をおよそ10%加えることがあります。
ミツロウ
ミツロウは、ミツバチが分泌するロウ成分で、ビーワックスとも呼ばれます。
抗菌効果、保湿効果などがあり、軟膏やクリームの材料に使用されます。
常温で固体ですが、60~67度くらいで溶けて液体になります。
精製したものは白色、未精製のものは黄色です。
グリセリン
植物性・動物性の脂肪や油脂から得られる無色透明、無臭の液体で、水もエタノールもよく溶けるので、優れた保湿効果があり、外用ローション、クリームなどに使われます。
甘みがあるので、手作りの歯磨きペーストにも適します。
クレイ
シリカ(ケイ素)やマグネシウムなどのミネラルを含む鉱物(陶土)で、粒子の細かい粘土がクレイです。
カオリン、モンモリオナイトといった種類があります。
吸収作用、吸着作用、洗浄作用、収れん作用などがあり、パック剤として主に利用されます。
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