【紅茶のこと】産地別の茶産業について(インド、スリランカ編)

世界の茶の生産量は、紅茶(ウーロン茶を含む)だけ見るとインドが圧倒的に多いです。

中国、ケニア、スリランカ、トルコ、インドネシアも名を連ねていますが、中国は紅茶ではなく緑茶がメインです。

では、代表的な主要国の茶産業(主に紅茶について)について確認していきましょう。

紅茶検定

インド

インドは世界最大の紅茶生産国です。

紅茶のシャンパンと称されるダージリン、緑の絨毯と呼ばれるアッサムの茶畑、通年摘み取れるニルギリなど、大国に相応しい紅茶があるのが特徴です。

ダージリン

高い山になります。

ファースト・フラッシュ(一番摘み)
クオリティーシーズン3月中旬~4月
茶葉外観
浅緑色
水色明るい黄色
香味緑茶のような甘みを感じ、フレッシュな甘芳しい中に、フルーティーな発酵香
セカンド・フラッシュ(二番摘み)
クオリティーシーズン5月~6月
茶葉外観
濃いめの茶褐色
水色明るい黄赤色
香味最も香味が充実
極上品であれば、特有のマスカテル・フレーバーとなる世界三大銘茶
オータムナル(秋摘み)
クオリティーシーズン10月~11月
茶葉外観薄めの茶褐色
水色薄めの黄赤色
香味全体的にセカンド・フラッシュを優しくした香味
スムースなテイスト

なお、ダージリンが濃く抽出されていると、それは雨茶というレイニーティーである可能性が高く、品質は良くありません。

アッサム

平地であり、影を作る為に人工的にシェードツリー(木)を植えています。

セカンド・フラッシュ オーソドックス(二番摘み)
クオリティーシーズン5月~6月
茶葉外観グレー系の黒褐色
水色濃い赤褐色
香味濃く力強い味と深いコク味で、モルティー・フレーバー
セカンド・フラッシュ CTC(二番摘み)
クオリティーシーズン5月~6月
茶葉外観赤褐色
水色濃厚な赤褐色
香味フルボディ―で濃厚なコク味の甘芳しいモルティ―・フレーバー

“セカンド”とつくのは、これのみに価値があることからで、基本的にミルクにあいます。

ニルギリ

緩やかな傾斜になっていて、影を作り、土壌を守るためにシェードツリーが植えられています。

ニルギリ シーゾナル・クオリティー
クオリティーシーズン12月~1月
茶葉外観茶褐色
水色赤褐色
香味スムースな香味、クローナル・シュープリームが特徴的で柔らかなフレーバー

スリランカ

かつてセイロンと呼ばれていたインド洋の真珠と称されるスリランカは、標高別にエリアが分類されています。

ロー・グロウン・ティーという低地産茶はルフナとサバラガムア、ミディアム・グロウン・ティーという中地産茶はキャンディ、ハイ・グロウン・ティーという高地産茶はディンブラ、ヌワラエリヤ、ウバ、ウダプセラワになります。

ディンブラ

ディンブラ
クオリティーシーズン1月~3月
茶葉外観鮮やかな茶褐色
水色明るい赤褐色
香味バランスがとれた味と軽く華やかな香りの中に、軽くモルティ―・フレーバーが香る

ヌワラエリヤ

ヌワラエリヤ
クオリティーシーズン1月~2月、6月~7月
茶葉外観ややくすんだ緑色
水色赤みを帯びた黄色
香味フレッシュ感のある優雅でデリケートな花香とやや強めの爽やかな渋み

ウバ

ウバ
クオリティーシーズン8月~9月
茶葉外観鮮やかな赤褐色
水色明るい真紅色
香味鋭角的に鼻を通り抜けるメチルサルチル系の香りと強く刺激的な渋み

メチルサルチルは、要はサロンパスのような感じの香りです。