My Chemical Romance『The Black Parade』(2006)レビュー:死と生を祝祭する、壮大なエモ・オペラの到達点
アルバム
ジャケット

アーティスト
My Chemical Romance マイ・ケミカル・ロマンス
アルバムタイトル
The Black Parade
レビュー
2000年代、一つの文化現象ともいえる「エモ」というムーブメントがあります。
マイ・ケミカル・ロマンス(My Chemical Romance)が2006年に発表したサードアルバム『The Black Parade』もその一つに含まれ、壮大なコンセプト・アルバムともいえる作品です。
4月9日生まれのフロントマン、ジェラルド・ウェイが、自身の内面的な葛藤や死生観を投影し、架空のキャラクター「ザ・ペイシェント(患者)」の最期を描いた本作は、単なる音楽作品を超えた、圧倒的な没入感をもたらす物語体験だと感じます。
アルバムの象徴である「Welcome to the Black Parade」の、あの静かなピアノの一音から始まる劇的な展開は、鳥肌ものでもあります。
かつて父親に連れられて見たパレードの記憶が、死の瞬間に迎えに来るという設定。
そのあまりにも美しく、そして切ない世界観は、ジェラルド・ウェイの演劇的でエモーショナルなボーカルによって、聴く者の魂に直接訴えかけてきます。
エモというジャンルをまだ聴いたことがない新しい世代の人たちにこそ、この「感情を剥き出しにしながらも、どこまでも気高く、壮大な」サウンドに触れてほしいなと思います。
個人的にこのアルバムの凄みを感じるのは、クイーンやピンク・フロイドといった往年のロック・ジャイアンツへの敬意を感じさせつつ、それを(当時の)現代的なパンク・ロックのエネルギーで再構築しているようなところでしょうか。
「Famous Last Words」や「I Don’t Love You」といった楽曲に込められた、絶望の淵から這い上がろうとする強烈な意志は、ジェラルド・ウェイが当時抱えていた苦悩を音楽へと昇華させた結果であり、だからこそ、時代を超えて多くの人々の孤独に寄り添い続けているようにも思います。
「死」という重いテーマを扱いながらも、アルバム全体を聴き終えた後に感じるのは、不思議なほどの高揚感と「生きること」への肯定感です。
黒い軍服に身を包んだ彼らが鳴らした音は、決して後ろ向きなものではなく、傷ついた魂を癒やし、再び前を向かせるための表現であると思います。
この壮大なパレードの列に加わってみるように、このアルバムと向き合う時間は、きっとあなたの日常に、少しだけドラマチックな彩りを与えてくれるんじゃないかなと思います。
トラックリスト
- The End
- Dead!
- This Is How I Disappear
- The Sharpest Lives
- Welcome To The Black Parade
- I Don’t Love You
- House Of Wolves
- Cancer
- Mama
- Sleep
- Teenagers
- Disenchanted
- Famous Last Words
- Blood (Hidden Track)
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