Vampire Weekend『Modern Vampires of the City』(2013)レビュー:モノクロームの街に響く、知的な祈りと進化の記録

楽曲, 音楽

アルバム

ジャケット

アーティスト

Vampire Weekend ヴァンパイア・ウィークエンド

アルバムタイトル

Modern Vampires of the City

レビュー

2013年リリース、ヴァンパイア・ウィークエンドの3rdアルバム『Modern Vampires of the City』は、デビュー当時の「アフロ・ポップ」や「プレッピー」といった陽気なイメージを鮮やかに塗り替え、より深く、より内省的な地平へと踏み出しており、彼らのキャリアにおける決定的な転換点にも感じられます。

4月8日生まれのフロントマン、エズラ・クーニグが、ニューヨークという都市の喧騒の中で、信仰や老い、そして時間の経過といった普遍的なテーマと向き合い、紡ぎ出したこの作品は、その知的な輝きに圧倒されます。

Step

アルバム全体を覆うのは、どこか冷涼で、それでいて温かみのあるバロック・ポップ的なサウンドです。

ハープシコードやストリングスを大胆に取り入れつつ、現代的なプロダクションで緻密に構築された音像は、まさに「モダン」という言葉がふさわしいです。

特に「Step」の、サンプリングを駆使したノスタルジックなメロディと、エズラ・クーニグの透き通るようなボーカルが重なり合う瞬間は、何度聴いても心が洗われるような感覚を覚えます。

一方で「Diane Young」のような、パンキッシュでエネルギッシュな楽曲も同居しており、その振れ幅の広さが、このアルバムを単なる「落ち着いた名盤」に留まらせない理由なんじゃないかなと思います。

Diane Young

個人的にこのアルバムで最も惹かれるのは、エズラ・クーニグの卓越したリリック・センスですかね。

宗教的なメタファーや歴史的な引用を散りばめながらも、それが決して難解になりすぎず、都会に生きる私たちの孤独や不安にそっと寄り添ってくれるような感じがします。

彼が描くニューヨークの風景は、モノクロームのジャケット写真のように静謐でありながら、その裏側には激しい感情の揺らぎが隠されているんじゃないかと想像してみたり。

これほどまでに「言葉」と「音」が高い次元で融合した作品に出会えたのは、とても贅沢な体験になっています。

デビューから15年以上が経過した今、改めてこの『Modern Vampires of the City』を聴き返してみると、彼らが当時いかに勇敢に自分たちの音楽性を拡張しようとしていたかがよく分かります。

時代に流されることなく、自らの知性と感性を信じて作り上げられたこのアルバムは、まさに「現代の吸血鬼」のように、時間を超えて生き続ける生命力を持っています。

じっくりとこの音の迷宮に迷い込んでみる時間は、きっとあなたの日常に、新しい視点を与えてくれるでしょう。

Ya Hey

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トラックリスト

1. Obvious Bicycle
2. Unbelievers
3. Step
4. Diane Young
5. Don’t Lie
6. Hannah Hunt
7. Everlasting Arms
8. Finger Back
9. Worship You
10. Ya Hey
11. Hudson
12. Young Lion

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私の視聴環境

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