John Mayer『Room for Squares』(2001)レビュー:迷いを抱えた青年が、歌とギターで歩き出す
アルバム
ジャケット

アーティスト
John Mayer ジョン・メイヤー
アルバムタイトル
Room for Squares
レビュー
米国コネチカット州出身のシンガーソングライター兼ギタリストのジョン・メイヤーは、10代でギターを始め、アトランタのクラブで活動し、デビューアルバムである今作『Room for Squares』で注目を集めました。
後にブルース色の強い演奏でも評価される彼ですが、最初に聴くなら、この柔らかなデビュー作が入口にするのがいいでしょう。
冒頭の「No Such Thing」は、親や社会から示された「正しい人生なんて存在しない」と歌う、軽やかな青春ソングです。
明るいギターと口ずさみやすいメロディの裏に、進む道を決めきれない若者の不安が見えます。
「Why Georgia」も、車を走らせながら自分の未来を考える曲で、前向きなのに、どこか心細いような感覚がとてもリアルです。
そして本作を代表する「Your Body Is a Wonderland」は、甘いラブソングとして大きな人気を得ました。
ジョン・メイヤーの歌声は優しく、アコースティックギターの響きも穏やかです。
今作の魅力はこの一曲だけではなく、恋愛や将来への迷いを、飾りすぎない言葉で描いているところにあります。
「Neon」では、少しジャズの影を感じさせるコードとギターの細かな動きが楽しめます。
歌は軽やかなのに、演奏には彼の技術がしっかり息づいています。
一方、「3×5」は、目の前の世界を写真や画面越しではなく、自分の目で見ようとする歌で、デジタル化が進んだ今聴くと、いっそう静かに響きます。
派手なギター・ソロを前面に出す作品ではないものの、言葉を支えるように鳴るギターが、曲ごとの感情を細かく照らしています。
ポップスとして聴きやすく、ロックやブルースへの入口にもなるバランスの良さが魅力ではないでしょうか。
迷いながら歩き始める人のための、今も色あせないデビュー作です。
国内盤CD
レコード盤 Record LP
トラックリスト
1. No Such Thing
2. Why Georgia
3. My Stupid Mouth
4. Your Body Is A Wonderland
5. Neon
6. City Love
7. 83
8. 3×5
9. Love Song For No One
10. Back To You
11. Great Indoors
12. Not Myself
13. St. Patrick’s Day
Spotify
私の視聴環境
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