Dirty Pretty Things『Waterloo To Anywhere』(2006)レビュー:傷だらけの美学と止まらない衝動

楽曲, 音楽

アルバム

ジャケット

アーティスト

Dirty Pretty Things ダーティ・プリティ・シングス

アルバムタイトル

Waterloo To Anywhere

レビュー

2006年、ザ・リバティーンズが崩壊し、その片翼を担っていた6月6日生まれのカール・バラーが新たなバンド、ダーティ・プリティ・シングスを結成し、彼らが放ったデビューアルバム『Waterloo To Anywhere』は、まさにその混乱と再生の物語を刻んだ一枚でもあると思います。

ザ・リバティーンズの解散は、多くのファンにとって衝撃的な出来事でした。

ピート・ドハーティとの蜜月と確執、そして破滅的な行動といった中で、カール・バラーが選んだ道は、新たな仲間と共に音楽を鳴らし続けることでした。

このアルバムには、そうした激動の時代を乗り越え、再びロックンロールの最前線に立つ彼の剥き出しの感情が刻まれているように感じられます。

Deadwood

アルバムのオープニングを飾る「Deadwood」から、ダーティ・プリティ・シングスが鳴らすサウンドは、ザ・リバティーンズの持つパンキッシュな衝動を受け継ぎつつも、よりソリッドで洗練された印象を与えます。

特に、先行シングルとしてリリースされた「Bang Bang You’re Dead」は、焦燥感に満ちたギターリフと、ティム・クーパーのタイトなドラム、ディディ・ハマンのうねるようなベースラインが一体となり、聴く者の心を鷲掴みにするキラーチューンです。

カール・バラーのボーカルも、かつての危うさに加えて、どこか吹っ切れたような力強さを感じさせます。

彼のメロディセンスは健在で、キャッチーでありながらも、一筋縄ではいかないひねりが効いているのが魅力ですね。

Bang Bang You’re Dead

『Waterloo To Anywhere』は、単なるザ・リバティーンズの焼き直しではなく、カール・バラーが新たなバンドメンバーと共に、自分たちの音楽を再構築しようとする強い意志が感じられます。

「Doctors and Nurses」のようなストレートなロックンロールから、「The Enemy」のような内省的な楽曲まで、アルバム全体を通して彼のソングライティングの幅広さが示されています。

特に印象的なのは、彼がピート・ドハーティとの決別を経て、自分自身の音楽と真摯に向き合い、新たな表現の道を切り開こうとしている点です。

このアルバムは、彼にとっての「再生」であり、同時にUKロックシーンにおける「不器用な情熱」の結晶とも言えるのではないでしょうか。

あの時代、多くのバンドが「次なるザ・リバティーンズ」を目指す中にいたかはどうかわかりませんが、カール・バラー自身がその呪縛から解き放たれ、自分自身のロックンロールを鳴らしたことの意義は非常に大きいと思います。

ダーティ・プリティ・シングスは、決して派手なバンドではなかったかもしれませんが、彼らがこのアルバムで示した傷だらけの美学と、止まらない衝動は、今聴いても私たちの胸を熱くさせる普遍的な輝きを放っているように感じられます。

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トラックリスト

  1. Deadwood
  2. Doctors & Dealers
  3. Bang Bang You’re Dead
  4. Blood Thirsty Bastards
  5. The Gentry Cove
  6. Gin & Milk
  7. The Enemy
  8. If You Love A Woman
  9. You Fucking Love It
  10. Wondering
  11. Last Of The Small Town Playboys
  12. B.U.R.M.A.

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私の視聴環境

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