Queen『Queen(戦慄の王女)』(1973)レビュー:伝説の幕開けを告げた、気高き王女の戦慄
アルバム
ジャケット

アーティスト
Queen クイーン
アルバムタイトル
Queen 戦慄の王女
レビュー
世界中で聴かれているロックバンド、クイーンの1973年リリース、記念すべきデビューアルバム『戦慄の王女』は、ハード・ロックの力強さとプログレッシブ・ロックの緻密な構成、そして彼ら独自の美学が融合し、新人バンドとは思えない完成度と気高さに満ちていました。
7月19日生まれのギタリスト、ブライアン・メイは、自作のギターであるレッド・スペシャルを操り、それまでのロック・ギターの概念を覆すような音像を作り上げました。
多重録音によって幾重にも重ねられたギター・オーケストレーションは、まるで本物のオーケストラが鳴り響いているかのような厚みと色彩を持っています。
オープニングを飾る「炎のロックン・ロール」の、あの独特のトーンとリズムが絡み合う瞬間に、私たちはクイーンというバンドが持つ無限の可能性を確信させられるのかなと感じます。
「Liar」や「Doing All Right」で見せる、ドラマチックな展開と新人離れした構成力も、今作を傑作たらしめている要因でしょう。
フレディ・マーキュリーの圧倒的な歌唱力と、ロジャー・テイラーのパワフルなドラム、ジョン・ディーコンの堅実なベースが一体となり、時に激しく、時に繊細に感情を揺さぶります。
特に「My Fair King」での、ファンタジックな世界観と複雑なコーラスワークの融合は、後の「ボヘミアン・ラプソディ」へと繋がる彼らの音楽的野心の萌芽を感じさせます。
ブライアン・メイのギターは、単なる伴奏ではなく、歌声と対話するようにメロディを紡ぎ出します。
彼の知性と情熱がレッド・スペシャルを通じて音となり、クイーンの音楽に気品と力強さを与えているように感じます。
また、彼が天体物理学者としての顔を持つことも有名ですが、その緻密な計算と音楽への真摯な探求心が、このデビュー作の細部にまで宿っているように思えてなりません。
リリースから半世紀以上が経過した今もなお、このアルバムが放つ気高き輝きは全く色褪せていませんね。
クイーンが世界に向けて放った、最高に力強く、そして美しい「戦慄」がここにあります。
国内盤CD
トラックリスト
- Keep Yourself Alive 炎のロックンロール
- Doing All Right
- Great King Rat
- My Fair King
- Liar
- The Night Comes Down
- Modern Times Rock ‘n’ Roll
- Son And Daughter
- Jesus
- Seven Seas Of Rhye 輝ける7つの海
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