My Bloody Valentine『Loveless』(1991)レビュー: 轟音の向こうに広がる、究極の美学
アルバム
ジャケット

アーティスト
My Bloody Valentine マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン
アルバムタイトル
Loveless
レビュー
1991年にリリースされたマイ・ブラッディ・ヴァレンタインのセカンドアルバム『Loveless』は、単なる一枚のアルバムという枠を超え、音楽の歴史を塗り替えた金字塔として、今なお語り継がれる作品でしょう。
このアルバムがなければ、シューゲイザーというジャンルは、これほどまでに世界中のリスナーを魅了することはなかったかもしれません。
その圧倒的な音の壁、陶酔的な浮遊感、そして轟音の奥底に潜む甘美なメロディは、一度体験したら忘れられない、まさに究極のリスニング体験です。
この唯一無二のサウンドを生み出した中心人物こそ、ボーカル、ギター、ベース、サンプラー、そしてプロデュースまでを手がけた5月21日生まれのケヴィン・シールズです。
彼の執念とも言える完璧主義は、レコーディングに2年半もの歳月と莫大な費用を費やさせ、バンドを所属レーベルから破産寸前に追い込んだと言われています。
しかし、その狂気的なまでの探求心があったからこそ、「グライド・ギター」と呼ばれる独特の奏法や、幾重にも重ねられた音の層が織りなす、あの独特の浮遊感が生まれたのだと思います。
ギターサウンドは、まるで生き物のようにうねり、聴く者を夢と現実の狭間へと誘います。
それは、単なるノイズではなく、極めて計算され尽くした「音響彫刻」。
シューゲイザーという言葉を初めて耳にする方、あるいは「ノイズが多い音楽はちょっと…」と敬遠している方もいるかもしれません。
しかし、『Loveless』は、その轟音の向こう側に、驚くほど美しいメロディを内包しています。
例えば、「Only Shallow」の冒頭から押し寄せる轟音は、一瞬にして聴く者の意識を奪いますが、その中に確かに存在する歌声は、まるで夢の中の囁きのように優しく響きます。
「Sometimes」のような楽曲では、その美しさがより際立ち、心の琴線に触れるような感動を与えてくれます。
このアルバムは、聴けば聴くほどその深みに引き込まれる、中毒性のある作品だと強く感じますね。
洋楽ロックを愛する人々にとって、この『Loveless』は、まさに「究極のリスニング体験」であり続けています。
30年以上経った今でも、その革新性と普遍的な美しさは全く色褪せることがありません。
ケヴィン・シールズがこのアルバムに込めた情熱と、音に対する飽くなき探求心は、後続の多くのアーティストに計り知れない影響を与え、シューゲイザーというジャンルを確立しました。
もう単なる音楽ジャンルというよりも、一つの美学、一つの哲学と言えるかもしれませんね。
この『Loveless』という深淵なる「宮殿」の扉を、ぜひ開いてみてはいかがでしょうか。
耳を澄ませば、轟音の向こうから、甘美な旋律が聴こえてくるでしょう。
国内盤CD
トラックリスト
1. Only Shallow
2. Loomer
3. Touched
4. To Here Knows When
5. When You Sleep
6. I Only Said
7. Come in Alone
8. Sometimes
9. Blown a Wish
10. What You Want
11. Soon
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