【おすすめの洋楽】Up The Bracket -リバティーンズ宣言-(2002)/ THE LIBERTINES

2018年12月30日音楽

2018年、最後のレビューは、The Libertines(ザ・リバティーンズ)のデビューアルバム『Up The Bracket(リバティーンズ宣言)』です。

2002年にリリースされたアルバムですが、当時のギターロックリバイバルと、中心人物であるピートとカールの二人についての各方面のメディアの取り上げられ方を見るに、影響は大きかったことを覚えています。

特にピートの人物像やアクションに、話題が行きがちですが、音楽性は抜群の”刹那”があります。

ジャケット

THE LIBERTINES Up The Bracket(リバティーンズ宣言)

レビュー

本物のパンク・ロックは70年代で終わっているものと思っていましたが、21世紀もきちんと生きていると確信したアルバムでした。

70年代を単純に真似ているのではなく、21世紀型のパンク・ロックでしょう。

“ノリノリでキャッチーな~”なんていうのはパンクではない、という意見もありますが、今までそうだった考えを改めた方が良いくらいの刹那のあるパンクロックではないでしょうか。

バンドの主要人物でもある、ヴォーカル/ギターのピート・ドハーティとギター/ヴォーカル/コーラスのカール・バラーは、作詞、作曲が絶妙です。

「Vertigo」は、何かギリギリのところを責めるようなギターとツインヴォーカル、時折ピートがセクシー且つわざと崩した歌い方の危うさが本物であることがわかります。

「Death On The Stairs」もセクシーなトラックで、パンクをやろうと意識せずとも、演奏の下手さもひっくるめた完成品だと思います。

シングルカットされた「Time For Heroes」、そして「I Get Along」、「What A Waster」も絶妙なガレージ・ロックで、メロディも構成もかっこいいです。

ピート/カールという奇跡的なタッグが生み出した楽曲は、言わば”カリスマ性”というのをこの時代のバンドもリスナーも感じ取っているのではないかとされています。

しかし、次作への歩みと同時に、ヴォーカルのピートはドラッグの深みへとはまっていくことに・・・。

それでも我々オーディエンスは奇跡を待ち続けていたのが、少し懐かしく感じます。

トラックリスト

01. Vertigo
02. Death On The Stairs
03. Horror Show
04. Time For Heroes
05. Boys In The Band
06. Radio America
07. Up The Bracket
08. Tell The King
09. The Boy Looked At Johnny
10. Begging
11. The Good Old Days
12. I Get Along


Up The Bracket Import CD