Muse『Showbiz』(1999)レビュー:焦燥とドラマチックの原点
アルバム
ジャケット

アーティスト
Muse ミューズ
アルバムタイトル
Showbiz
レビュー
1999年、ブリットポップの狂騒が落ち着きを見せ、個人的にはUKロックシーンが次なる刺激を求めていたんじゃないかと想像・・・そんな中、ミューズが放ったデビューアルバム『Showbiz』。
6月9日が誕生日のフロントマン、マシュー・ベラミーの稀代の才能が始まる一枚でしょう。
ミューズというバンドの壮大な物語の幕開けとなったこの名盤を振り返ってみたいと思います。
当時のミューズを語る上で避けて通れないのが、レディオヘッドとの比較だったようですね。
しかし、実際に『Showbiz』を聴けば、彼らが全く異なる次元のドラマ性を追求していたことは明白です。
マシュー・ベラミーの圧倒的なファルセット・ボーカル、クラシック音楽の素養を感じさせるピアノの旋律、そして重厚なギターリフは、これらが三位一体となり、新人バンドとは思えないほどの完成度とスケール感を生み出していますね。
そこには、若さゆえの剥き出しの焦燥感と、どこか厭世的な叙情性が同居しており、聴く者の感情を激しく揺さぶる力があったように感じられます。
アルバムの幕開けを飾る「Sunburn」から、その独特の世界観に引き込まれます。
不穏なピアノのイントロから、爆発的なサビへと繋がる展開は、まさにミューズの真骨頂として片鱗を見せています。
続く「Muscle Museum」では、マシュー・ベラミーのボーカルが時に囁くように、時に叫ぶように変化し、内面的な葛藤を鮮烈に描き出しています。
タイトル曲の「Showbiz」で見せる、狂気すら感じさせる圧倒的なパフォーマンスは、彼らが単なるロックバンドの枠に収まらない存在であることを証明していました。
このアルバムの魅力は、その「不完全な美しさ」にあるのかもしれません。
後の作品で見せる完璧なスタジアム・ロックとしての姿も素晴らしいですが、『Showbiz』には、まだ何者でもなかった彼らが、自分たちの居場所を求めて必死に鳴らした音の塊のような熱量があります。
マシュー・ベラミーという一人の天才が、自らの内なる宇宙を音楽として解き放った瞬間、その純粋な衝動が、今聴いても全く色褪せることなく響いてくるのは、本当に驚くべきことだと思います。
このデビュー作で示した、ロックとクラシック、そしてプログレを融合させたドラマチックな手法は、ミューズの原点にもなっていると感じます。
改めてこの『Showbiz』を聴き返してみると、彼らが最初からどれほど巨大なポテンシャルを秘めていたのかを再認識させられます。
彼らの原点を、今の耳で体感してみてください。
国内盤CD
トラックリスト
- Sunburn
- Muscle Museum
- Fillip
- Falling Down
- Cave
- Showbiz
- Unintended
- Uno
- Sober
- Escape
- Overdue
- Hate This & I’ll Love You
- Spiral Static
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