Peter Doherty『Felt Better Alive』(2025)レビュー:荒々しさの先に見た静かな光

楽曲, 音楽

アルバム

ジャケット

アーティスト

Peter Doherty ピーター・ドハーティ

アルバムタイトル

Felt Better Alive

レビュー

The LibertinesやBabyshamblesの中心人物かつヴォーカルでもあるピーター・ドハーティの新作です。

前述のバンドの活動を経て、彼がソロとして出すアルバムって、いつもその時の彼の「状態」を映し出す鏡みたいですよね。

今回の『Felt Better Alive』は、タイトル通り、過去の荒々しいイメージから一歩踏み出して、静かに、でも確かに生きていることを実感している彼の姿が垣間見える気がします。

なんだか、ホッとしたというか、良かったね、という気持ちにちかいというか。

Felt Better Alive

全体を通して、派手な音作りや、かつての衝動的なロックンロールの爆発は、正直無くはないものの、アコースティックギターの素朴な響きと、彼の独特な、時に掠れたボーカルはやはりいいですね。

これまでのように印象的なのは、彼の歌詞の断片的な美しさです。

全てを語り尽くさない、曖昧でオフキルターな言葉の連なりが、聴き手の想像力を刺激してきます。

個人的な見方ですが、かつては破滅的なロマンティシズム(?)を醸し出していた彼が、ソロとなると、パーソナルな物語を紡いでいるように感じます。

それは、ゴシップやスキャンダルを通して見てきた「ピート・ドハーティ」ではなく、一人の人間としての「ピーター・ドハーティ」の姿に近いのかもしれません。

The Day The Baron Died

UKロックファンであれば、彼の過去の作品と比較してしまうのは、仕方ないことだと思います。

でも、このアルバムは、過去の栄光や伝説をなぞるものではなく、それらを乗り越え、「生きている」という事実そのものを肯定しているように聞こえます。

彼の音楽から、かつての危ういカリスマ性ではなく、痛みを伴いながらも手に入れた、穏やかな希望のようなものを感じ取ることができるのではないでしょうか。

ゆえにこのアルバムは、時間をかけて向き合うことで、その深みと、彼が歩んできた道のりの重みが伝わってくるはずです。

このアルバムは、彼のキャリアにおける一つの静かな傑作だと思います。

Pot Of Gold

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輸入盤CD import CD

レコード盤 Record LP

トラックリスト

01. Calvados
02. Pot Of Gold
03. The Day the Baron Died
04. Stade Ocean
05. Out Of Tune Ballon
06. Felt Better Alive
07. Ed Belly
08. Poca Mahoney’s
09. Fingee
10. Pretre De La Mer
11. Empty Room

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