Goldfinger『Stomping Ground』(2000)レビュー:「99 Red Balloons(ロックバルーンは99)」のカバーが鳴らした、パンクの幸福な記憶(リライト)
アルバム
ジャケット

アーティスト
GOLDFINGER ゴールドフィンガー
アルバムタイトル
Stomping Ground
レビュー
「ロックバルーンは99」という邦題でも知られる、ドイツの歌手・女優のネーナ(Nena)及び同バンド(バンド名もNena)の80年代の世界的ヒット曲「99 Luftballons」。
この曲を、2000年代のポップ・パンク(エモ)の文脈で見事に蘇らせたのが、ゴールドフィンガーによるカバー「99 Red Balloons」です。
彼らの3rdアルバム『Stomping Ground』に収録されたこの曲は、今なお「洋楽カバーの傑作」として多くのリスナーに愛され続けていると感じます。
原曲はドイツの女性歌手ネーナによる、冷戦下の緊張感を背景にした反戦歌。
そんな重いテーマを持ちながらも、ゴールドフィンガーの手にかかれば、驚くほどキャッチーで疾走感あふれるパンク・チューンへと変貌を遂げるのが面白いです。
特に、中盤で突如として挿入されるドイツ語のフレーズや、パンク特有の裏打ちのリズムがもたらす高揚感は、聴いたことがあるという人も多いはずのあのメロディが、これほどまでに「今の音」として響くのは、卓越したアレンジ能力と、原曲への深いリスペクトがあるからこそなのでしょう。
ですが、この『Stomping Ground』というアルバムの魅力は、決してこのカバー一曲に留まるものではありません。
アルバム全体を聴き通してみると、当時のポップ・パンク・シーンの熱気をそのままパッケージしたような、エネルギッシュでメロディアスな楽曲が並んでいるのかもしれません。
前作までのスカ要素を少し抑えつつ、よりソリッドでパンキッシュなサウンドへと進化した本作は、彼らが単なる「バンド」という枠を超えて、一級のロック・バンドへと成長した証と捉えることもできます。
いろいろなシーンでよく使われているイメージがある「99 Red Balloons」を入り口に、アルバムの他の楽曲――例えば「Counting the Days」のような切ないメロディを持つ曲――に触れてみると、彼らが持つ音楽的な懐の深さもあるように感じます。
ノリが良く、聴き馴染んでくるところがヒットの理由だというのはもちろんですが、その裏側にある緻密なアンサンブルや、響く「歌」の力こそが、このアルバムの底上げにもなっているじゃないかと思います。
「ロックバルーンは99」のカバーをきっかけに、このアルバムを手に取るように、一曲の出会いから一枚の作品の世界へと深く潜り込んでいく体験は、音楽を聴く上での大きな喜びの一つ。
あの頃のライブハウスの熱狂を知る人も、新しくこの音に出会う人も、ゴールドフィンガーが鳴らす、幸福なパンク・サウンドに身を委ねてみるのはいかがでしょうか。
きっと、あなたのプレイリストの中でも、色褪せない輝きを放ち続けてくれるんじゃないかなと思います。
▼ Goldfingerの音源 ▼
▼ Nenaの音源 ▼
トラックリスト
01. I’m Down
02. Pick A Fight
03. Carry On
04. The End Of The Day
05. Don’t Say Goodbye
06. Counting The Days
07. Bro
08. San Simeon
09. You Think It’s A Joke
10. Forgiveness
11. Margaret Ann
12. Get Away
13. 99 Red Balloons
14. Donut Dan
Spotify
原曲
私の視聴環境
Creative Pebble ブラック
音声入力3.5mm ピンプラグ接続
電源USB端子接続 低音用
パッシブラジエーター搭載
出力4.4W アクティブ スピーカー
SP-PBL-BK








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