Joyce Manor『I Used To Go To This Bar』(2026)レビュー:20分間に凝縮された、ほろ苦くも愛おしい「青さ」の現在地

楽曲, 音楽

アルバム

ジャケット

アーティスト

Joyce Manor ジョイス・マナー

アルバムタイトル

I Used To Go To This Bar

レビュー

カリフォルニアのインディー・ロック/エモ・シーンにおいて、もはや「短くも濃密な名曲」の代名詞とも言えるバンド、ジョイス・マナーが2026年1月にリリースした7枚目のアルバム『I Used To Go To This Bar』は、全9曲で約20分という彼ららしい潔さを保ちつつ、これまで以上にノスタルジックで、どこか人生のほろ苦さを感じさせます。

洋楽ロックやエモを愛するリスナーにとって、この「一瞬で駆け抜けるけれど、心に深く爪痕を残す」感覚は、彼らにしか出せない魔法だと感じます。

I Used To Go To This Bar

アルバムのタイトル曲「I Used To Go To This Bar」を聴いた瞬間、かつて通っていた場所や、今はもう会わなくなった誰かのことを、ふと思い出してしまう感じがしますね。

フロントマンのバリー・ジョンソンが歌うのは、決して特別なドラマではなく、経済的な困難や友人との別れといった、誰もが年齢を重ねる中で直面する「生活」の断片です。

それが、ウィーザーを彷彿とさせるパワー・ポップ的なキャッチーなメロディに乗せて届けられる時、切なさと爽快感が同時に押し寄せてくるのが純粋にいいなぁと感じます。

バッド・レリジョンのブレット・ガーヴィッツによるプロデュースが生み出した、シンプルながらも芯の太いサウンドが、今作の聴きどころの一つでもあります。

粗削りな衝動はそのままに、メロディの美しさやコード進行の妙がより際立っていて、バンドとしての円熟味を感じさせます。

特に「Falling Into It」のような楽曲で見せる、落ち着いたトーンとエモーショナルな爆発力のバランスは、今の彼らだからこそ鳴らせる「大人のエモ」の完成形と捉えられます。

かつての自分たちを否定するのではなく、あの頃の青さも、今の少し疲れた自分も、すべてを等身大で受け入れている、その飾らない佇まいが、20分という短い時間の中に、驚くほど豊かな感情のグラデーションを生み出しています。

「昔よく行っていたバー」という、誰の人生にもあるような風景。

ジョイス・マナーは、そんな何気ない日常を、純粋で最高に格好良いロック・アルバムへと昇華させています。

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トラックリスト

1. I Know Where Mark Chen Lives
2. Falling Into It
3. All My Friends Are So Depressed
4. Well, Whatever It Was
5. I Used to Go to This Bar
6. After All You Put Me Through
7. The Opossum
8. Well, Don’t It Seem Like You’ve Been Here Before?
9. Grey Guitar

Spotify

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私の視聴環境

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