The La’s『The La’s』(1990)レビュー:永遠に色褪せない、孤高の天才が遺した唯一の奇跡
アルバム
ジャケット

アーティスト
The La’s ザ・ラーズ
アルバムタイトル
The La’s
レビュー
1990年、リバプールから届けられた一枚のアルバムが、その後のUKロックの風景を決定づけたともいわれているザ・ラーズのセルフタイトル・デビューアルバム。
たった一枚のアルバムを残して表舞台から姿を消した、彼らですが、その純度の高いメロディと瑞々しいサウンドは、30年以上経った今もなお、宝石のような輝きを放ち続けています。
洋楽ロック、特にUKロックの伝統を愛する者にとって、このアルバムは避けては通れない名盤の一つです。
このアルバムの核心にあるのは、やはり8月2日生まれのフロントマン、リー・メイヴァースの執念とも言える完璧主義です。
彼は「本物の響き」を追い求めるあまり、数多くのプロデューサーと衝突し、レコーディングを繰り返しました。
最終的にリリースされたこの盤でさえ、彼は「納得がいっていない」と公言していましたが、皮肉なことに、そこには削ぎ落とされた音の美学と、奇跡的なバランスのアンサンブルが凝縮されているのかなと感じます。
彼の知性と情熱が、アコースティックな質感の中に結晶となって現れているように思えてなりません。
オープニングの「Son of a Gun」から、彼らの代名詞とも言える「There She Goes」へと続く流れは、まさに圧巻です。
特に「There She Goes」の、あの煌めくようなギターのリフと切ないメロディが重なり合う瞬間は、ポップ・ミュージックが持つ魔法を信じずにはいられなくなるような感覚になります。
また、「Timeless Melody」や「Feelin’」で見せる、60年代のビートルズやザ・フーの伝統を継承しつつも、90年代の空気感を纏ったタイムレスな響きは、洋楽ロックを愛する者にとって至福の体験と言えるでしょう。
リー・メイヴァースの歌声は、どこか無防備で、それでいて強い意志を感じさせます。
アコースティック・ギターの乾いた音色と、タイトなリズム・セクションが作り出す「隙間」の美学。
後のブリットポップ勢にも多大な影響を与えた、UKロックの真髄そのものなのかなと感じます。
国内盤CD
輸入盤CD import CD
レコード盤 Record LP
トラックリスト
- Son of a Gun
- I Can’t Sleep
- Timeless Melody
- Liberty Ship
- There She Goes
- Doledrum
- Feelin’
- Way Out
- I.O.U.
- Freedom Song
- Failure
- Looking Glass
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