Fatboy Slim『Palookaville』(2004)レビュー:
アルバム
ジャケット

アーティスト
Fatboy Slim ファットボーイ・スリム
アルバムタイトル
Palookaville
レビュー
ビッグ・ビートの帝王として君臨していたファットボーイ・スリムが、それまでのサンプリング主体のスタイルから一歩踏み出し、よりオーガニックでバンド・サウンドに近いアプローチを見せた意欲作とされる本アルバム『Palookaville』は、ダンス・ミュージックの枠を超え、ロック・リスナーをも熱狂させてきた彼が、今作で提示したのは、最高にハッピーで、かつ音楽的な深みを感じさせる新しいグルーヴでした。
このアルバムの魅力を語る上で欠かせないのは、やはり7月31日生まれのノーマン・クックという男の類まれなセンスでしょう。
彼は、ハウスマーティンズのベーシストとしてキャリアをスタートさせた経歴を持つだけに、生楽器の響きやバンドとしてのダイナミズムを熟知しているのでしょう。
今作では、そのルーツに立ち返るかのように、ギターやベース、そして豪華なゲスト・ボーカルを迎え入れ、より温かみのある音像を作り上げました。
リード・シングルの「Slash Dot Dash」を聴いた瞬間、そのパンキッシュなエネルギーと、彼らしい遊び心溢れるエディットの融合に、思わず体が動き出してしまうのかなと感じます。
アルバム全体を通して流れる、ジャンルを軽々と飛び越えるミクスチャー感覚も秀逸です。「Wonderful Night」でのヒップホップ的なアプローチや、デーモン・アルバーンをフィーチャーした「Put It Back Together」での叙情的なメロディ。
そして何より、ザ・スティーヴ・ミラー・バンドのカバーである「The Joker」で見せる、レイドバックした心地よい空気感。
これらの楽曲は、彼が単なるDJではなく、優れたソングライターであり、プロデューサーであることを物語っていますね。
個人的にはあまり聴かないジャンルとしてファットボーイ・スリムは認識していましたが、こういったジャンルの壁を取り払い、純粋に音を楽しむ喜びを教えてくれる存在であると、このアルバム『Palookaville』を聴いて認識させられます。
ジャンルに縛られない自由な音楽体験と、最高にハッピーなグルーヴを求めているのなら、ぜひこのアルバムを手に取ってみてください。
国内盤CD
レコード盤 Record LP
トラックリスト
01. Don’t Let The Man Get You Down
02. Slash Dot Dash
03. Wonderful Night
04. Long Way From Home
05. Put It Back Together
06. Mi Bebe Masoquista
07. Push And Shove
08. North West Three
09. Journey
10. Jin Go Lo Ba
11. Song For Chesh
12. Joker
13. What They’re Looking For
14. Close To Home
Spotify
私の視聴環境
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