Clairo『Sling』(2021)レビュー:静寂の中に宿る、成熟したフォーク・ロックの息遣い
アルバム
ジャケット

アーティスト
Clairo クレイロ
アルバムタイトル
Sling
レビュー
米国のシンガーソングライターであるクレイロが、2ndアルバムで提示したのは70年代フォーク・ロックへの憧憬と、内面を見つめる成熟した眼差しでしょう。
核心にあるのは、8月18日生まれの彼女が持つ繊細な感性です。
ジャック・アントノフと作り上げたオーガニックな音像は、ピアノやアコースティック・ギターが織りなす親密な空気に満ちています。
オープニングの「Bambi」は、静謐なアンサンブルと囁くような歌声が作り出す世界観に、心が解きほぐされるのを感じます。
緻密なアレンジも秀逸で、「Amoeba」の軽快なリズムと複雑なコーラス、「Blouse」の胸を締め付けるストリングス。
これらは、彼女が音の一つひとつに意味を込め、感情を純粋に伝えようとする真摯な表現者であることを物語っているのかなと感じますね。
特に「Zinnias」のギターは、ロック好きに心地よい驚きを与えてくれますね。
歌詞も家庭や自己探求といった内省的なテーマを扱っており、心に深く寄り添います。
日常の尊さや心の機微を丁寧に掬い取った言葉たち。
彼女の歌声は、時に脆く、時に強靭に、私たちの孤独を優しく包み込んでくれるようにも感じます。
クレイロが静寂の中から紡ぎ出した、最高に優しく気高い「歌」がここにはあります。
ちなみに、「Amoeba」は、ロックにより近づいた『Live at Electric Lady』バージョンも好きです。
国内盤CD
トラックリスト
- Bambi
- Amoeba
- Partridge
- Zinnias
- Blouse
- Wade
- Harbor
- Just For Today
- Joanie
- Reaper
- Little Changes
- Management
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