【おすすめの書籍】ザ・コンプリート・ポール・ウェラー
ポール・ウェラーのThe Jam(ザ・ジャム)としてのデビューから、ソロ最新『On Sunset』までのアルバムについて書かれた『THE COMPLETE PAUL WELLER』を読みました。
表紙
レビュー
基本的にはアルバムに関する解説がメインとなっており、The Jam/The Style Council/ソロというキャリア順にアルバムが紹介されています。
リリース順(年代順)に聴きたい、年代別で確認したいといった場合に便利に整理されている点は大変わかりやすく良いのではないかと思います。
The Jam
ジャム時代における中で個人的に一番気になったのは、2ndアルバム『This Is The Modern World』です。
ジャムのリリース作の中で、一般的に評価が高くなく、本人たちでさえも失敗と認めているほどのこのアルバムの制作背景には何があったのかについても触れており、ポール・ウェラーにもこういう時期があったんだな、という感じです。
鬼門のセカンドアルバムなんて言われたりもしますが、見事なくらいにその形にはまってしまったアルバムというイメージがあります。
しかし、そういった点があったからこそ、3rd以降のアルバムにおける向き合い方やメンタルに影響を及ぼし、パンクでは収まるはずもない表現を実現していったのでしょう。
The Style Council
個人的によく知らないのがスタカン時代です。
「Shout To The Top」という曲は知っていたものの、スタカンが、というかポール・ウェラーが歌っていたんだ!というくらいの衝撃を何年か前に受けたままだったので、今回そういったことを含めてアルバムのことを確認できたのはよかったと思います。
「My Ever Changing Moods」はいろいろなバージョンがあるんでしょうか。
様々な楽曲で膨大なテイクがあるとよくわからなくなりますが、単なるポップスユニットではなく、何か野心的な面もうかがえるような活動にも感じました。
改めて聴いておかなければいけないですね・・・それくらいスルーしていたと思います。
SOLO
The Jam、スタカンの情報があるにせよ、この書籍はソロ時代に焦点が当てられているのかなと思いましたが、割とまんべんなくという感じです。
しかし、ポール・ウェラーの”今”はソロであり、様々なプレイヤーと共作・合作、フィーチャリングを含めた活動がクリエイティブな面をどんどん作り上げているとも思いました。
とにかくクリエイトし続けることがポール・ウェラーを保つことでもあり、NEXTを常に見続けていることは尊敬に値します。
The Jam、スタカン、どちらも再結成などは絶対に無い!というブレない思い(笑)もさすがだなと思うほどです。
現時点での最新作『On Sunset』までのインタビューもありますが、これはコンプリートというよりも、はっきり言ってコンティニューな本になってしまのではないでしょうか。
基本的に2年くらいのスパンで新作をリリースしていることを考えれば、現状の最新作がすぐに過去作となり、それが繰り返されてポールウェラーにまつわるエピソードは必然的に増えていきます。
というより、コンプリートしてほしくないという思いもオーディエンス側にもあるような気もします。
もちろん私はそっち側です。
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