Radiohead『Amnesiac』(2001)レビュー:迷宮の深淵で鳴り響く、忘れられない記憶の断片
アルバム
ジャケット

アーティスト
Radiohead レディオヘッド
アルバムタイトル
Amnesiac
レビュー
2001年当時、音楽シーンに巨大な衝撃を与えた『Kid A』のわずか8ヶ月後、レディオヘッドはさらなる深淵へとリスナーを誘う『Amnesiac』を世に送り出しました。
このアルバムは、前作と同時期に録音されながらも、よりジャジーで、より肉感的で、そしてより迷宮的な深みを持つ、独自の生命を宿した傑作です。
6月26日に誕生日を迎えるベーシスト、コリン・グリーンウッドのうねるようなベースラインが、混沌としたサウンドスケープの底辺を支える今作は、洋楽ロック、特にUKロックを愛する者にとって、避けては通れない記憶の迷宮です。
このアルバムの最大の魅力は、電子音楽と生楽器、そしてジャズやクラシックの要素が、まるで悪夢と現実の境界線上で混ざり合ったかのような、独創的なサウンド・テクスチャーにあります。
オープニングの「Packt Like Sardines in a Crushd Tin Box」の無機質なリズムから、ピアノの旋律が美しくも不穏に響く「Pyramid Song」へと続く流れは、聴く者を一瞬にして異世界へと引き込みます。
トム・ヨークの歌声は、時に幽霊のように彷徨い、時に剥き出しの感情を露わにしながら、喪失感や静かな狂気を描き出しています。
「I Might Be Wrong」や「Knives Out」で見せる、コリン・グリーンウッドのベースが主導するグルーヴも、今作を象徴する要素の一つでしょう。
特に「I Might Be Wrong」での、ブルージーなギターリフと絡み合う彼のベースラインは、バンドが持つ肉体的なダイナミズムを再認識させてくれます。
彼は、複雑なアンサンブルの中で決して主張しすぎることなく、しかし確実に楽曲の重心を支える、知性的なプレイヤーであると感じます。
今作で見せる、既存のロックの枠組みを完全に解体し、再構築しようとする実験的な姿勢は、その後の音楽シーンに影響を与えました。
ポップ・ミュージックの限界を押し広げながらも、そこに深い叙情性と美しさを宿らせることに成功していたように思います。
常に未知の領域へと足を踏み入れ続けるその姿勢こそが、彼らを唯一無二の存在たらしめている要因なのでしょう。
レディオヘッドの音楽は、自分の内面にある暗部や、言葉にできない不安を映し出す鏡のような存在で、緻密に、そして大胆にバンドのサウンドを構築してきたかが伝わってきます。
国内盤CD
輸入盤CD import CD
レコード盤 Record LP[日本語帯付き仕様]
トラックリスト
01. Packt Like Sardines In A Crushd Tin Box
02. Pyramid Song
03. Pulk/Pull Revolving Doors
04. You And Whose Army?
05. I Might Be Wrong
06. Knives Out
07. Morning Bell / Amnesiac
08. Dollars And Cents
09. Hunting Bears
10. Like Spinning Plates
11. Life In A Glasshouse
Spotify
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