The Prodigy『The Fat of the Land』(1997)レビュー:踊るための音楽が、ロックの凶暴さを手に入れた
アルバム
ジャケット

アーティスト
The Prodigy ザ・プロディジー
アルバムタイトル
The Fat of the Land
レビュー
9月17日生まれのキース・フリントがMC/ボーカルとダンサーとして存在感を放ったThe Prodigy(ザ・プロディジー)の3rdアルバム『The Fat of the Land』を改めて聴きました。
基本的にロック及び、ロックを中心としたジャンルのテイストを好んで聴いていますが、プロディジーはサマソニをはじめ、よく来日していたイメージもあります。
なお、残念ながらフリントは2019年に亡くなっていますが、彼が強烈な輝きを放った時期の作品として振り返ります。
ザ・プロディジーといえば、テクノやブレイクビーツを想像するかもしれませんが、本作は、クラブ・ミュージックの枠に収まっていない荒々しいギター、パンクの反抗心、ヒップホップの声、巨大なダンス・ビートが一つになり、ロック・バンドのような興奮を生み出しているように感じます。
冒頭の「Smack My Bitch Up」から音は制御不能に突き進みます。
刺激の強い表現には注意が必要ですが、重低音とサンプルが押し寄せる迫力は圧倒的です。
続く「Breathe」では、キース・フリントとマキシムの声が不穏なビートの上で絡み合い、聴き手を暗い地下フロアへ引きずり込みます。
そして、アルバムの象徴ともいえる「Firestarter」は、鋭い声、挑発的な姿、特徴的なヘアスタイルまで含め、彼自身が一つの音楽ジャンルのようでした。
まるで既存のルールに火をつける反抗のアンセムとでもいうか、強烈なスタイルが印象的です。
「Mindfields」は、重なり合うドラムが崩れそうで崩れない緊張感を作り、「Narayan」ではKula Shakerのクリスピアン・ミルズを迎え、サイケデリックな広がりを見せます。
「Climbatize」では激しさの中に浮遊感も感じられ、派手なだけでなく、音の重ね方と展開も緻密です。
このアルバムは、電子音楽がロックの攻撃性を取り込み、世界規模での記念碑的な作品だと思います。
トラックリスト
- Smack My Bitch Up
- Breathe
- Diesel Power
- Funky Shit
- Serial Thrilla
- Mindfields
- Narayan
- Firestarter
- Climbatize
- Fuel My Fire
- Molotov Bitch
Spotify
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