Jack White『Blunderbuss』(2012)レビュー:伝統と破壊が交錯する、ソロアーティストとしての覚醒

楽曲, 音楽

アルバム

ジャケット

アーティスト

Jack White ジャック・ホワイト

アルバムタイトル

Blunderbuss

レビュー

ザ・ホワイト・ストライプスという21世紀最大のロック・デュオの看板を下ろしたジャック・ホワイトが、2012年にリリースしたソロアルバム『Blunderbuss』。

このアルバムは、彼がバンドという枠組みを超え、一人の音楽家の一作でしょう。

7月9日に誕生日を迎えるジャック・ホワイトの鋭利な感性と、音楽の伝統に対する深い敬意が結実した今作は、洋楽ロックを愛する者にとって、彼の多才さと独創性を再認識させてくれる傑作です。

このアルバムの最大の魅力は、ブルース、カントリー、フォーク、そしてガレージ・ロックといったアメリカの伝統的な音楽要素が、ジャック・ホワイトというフィルターを通すことで、極めてモダンで歪んだ美しさを持って再構築されている点にあります。

先行シングル「Love Interruption」の、アコースティックな響きの中に潜む剥き出しの感情表現から、「Sixteen Saltines」の爆発的なギターリフへと続く流れは、彼がいかに卓越したソングライターであり、同時に稀代のギタリストであるかを証明していました。

Love Interruption

「Freedom at 21」や「I’m Shakin’」で見せる、緻密に計算されたアンサンブルと、どこか不穏で中毒性のあるグルーヴも、今作を象徴する要素の一つでしょう。

彼のボーカルは、時に狂気を孕んだ叫びのように、時に繊細な独白のように、聴く者の心に直接突き刺さります。

Freedom at 21

ザ・ホワイト・ストライプス時代のミニマリズムとは対照的に、ピアノやフィドル、女性コーラスなどを大胆に取り入れた重層的なサウンド・プロダクションは、彼が自らの内面にある複雑な音楽的宇宙を、より自由に、より深く表現しようとした結果なのかな、と感じます。

今作で見せる、アナログ録音へのこだわりやヴィンテージな質感は、「アナログ回帰」の流れを決定づけるものとなった気がします。

彼は、過去の遺産を単に模倣するのではなく、それを破壊し、自らの血肉として新たな命を吹き込む魔法を持っています。

ジャック・ホワイトが、デトロイトのガレージからナッシュビルのスタジオへと拠点を移し、自らのレーベル「サード・マン・レコーズ」を通じて発信し続けるその姿勢こそが、彼を現代ロックの救世主たらしめている要因なのでしょう。

ロックの真髄と魂の叫びに触れるなら、ぜひこのアルバムを手に取ってみてください。

Sixteen Saltines

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輸入盤CD import CD

レコード盤 Record LP

トラックリスト

1. Missing Pieces
2. Sixteen Saltines
3. Freedom at 21
4. Love Interruption
5. Blunderbuss
6. Hypocritical Kiss
7. Weep Themselves to Sleep
8. I’m Shakin’
9. Trash Tongue Talker
10. Hip (Eponymous) Poor Boy
11. I Guess I Should Go to Sleep
12. On and on and on
13. Take Me with You When You Go

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