The Killers『Hot Fuss』(2004)レビュー:ラスベガスの夜を彩る、グラマラスなロック・アンセムの誕生
アルバム
ジャケット

アーティスト
The Killers ザ・キラーズ
アルバムタイトル
Hot Fuss
レビュー
砂漠の街ラスベガスから現れたバンドのザ・キラーズ。
デビューアルバム『Hot Fuss』は、まさに2000年代のロックシーンに煌びやかなシンセ・ポップとポスト・パンクの融合をもたらした一作だと思います。
6月21日に誕生日を迎えるフロントマン、ブランドン・フラワーズの華やかなスター性と、どこか憂いを帯びた歌声が結実した今作は、洋楽ロックを愛する者にとって、あの時代の熱狂を象徴する特別な一枚でしょう。
このアルバムの最大の魅力は、80年代のニュー・ウェーヴやブリットポップへの深い愛情を感じさせつつも、それを現代的なエッジで鮮やかにアップデートしたサウンドにあります。
オープニングを飾る「Jenny Was a Friend of Mine」の重厚なベースラインから、今やロック・アンセムとして不動の地位を築いた「Mr. Brightside」へと続く流れは圧巻ですね。
ブランドン・フラワーズが描く、嫉妬や焦燥感、そして若さゆえの過剰なまでの情熱が、キャッチーなメロディに乗せて放たれます。
彼のボーカルは、時にドラマチックに、時に切なく、聴く者をラスベガスのネオンが輝く夜の世界へと誘います。
「Somebody Told Me」や「All These Things That I’ve Done」といった楽曲で見せる、グラマラスな高揚感とスタジアム・ロック的なスケール感も、今作を傑作たらしめている要因の一つでしょう。
特に「All These Things That I’ve Done」での、ゴスペル風のコーラスが重なり合う壮大な展開は、彼らが単なるインディー・バンドの枠を超え、世界を舞台にするポテンシャルを持っていたことを証明していました。
ブランドン・フラワーズが、自らの野心と音楽への真摯な情熱を、この1枚のアルバムに全て注ぎ込んだことが伝わってきます。
今作で見せる、煌びやかなシンセサイザーの音色とソリッドなギターサウンドの融合は、後のインディー・ロックシーンに多大な影響を与えました。
彼らは、ロックの持つ力強さと、ポップスの持つ華やかさを、これ以上ないほど完璧なバランスで両立させています。
ブランドン・フラワーズが、リヴァプールやマンチェスターの音楽に憧れ、それをラスベガスという独自のフィルターを通して再構築し、その「憧れ」が「確信」へと変わる瞬間の煌めきが、このアルバムには凝縮されているのかな、と感じます。
リリースから20年以上が経過した今もなお、イントロが流れた瞬間にフロアを熱狂させる「Mr. Brightside」の魔力は、彼らがこのデビュー作で掴み取った、永遠に色褪せることのないロックの真髄ではないでしょうか。
国内盤CD
トラックリスト
1. Jenny Was A Friend Of Mine
2. Mr. Brightside
3. Smile Like You Mean It
4. Somebody Told Me
5. All These Things That I’ve Done
6. Andy, You’re A Star
7. On Top
8. Glamorous Indie Rock & Roll
9. Believe Me Natalie
10. Midnight Show
11. Everything Will Be Alright
Spotify
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